2月21日(日)
今日は日曜日。クリスチャンとして私は、教会へ行こうと思うが、ない。あるのかもしれないけれど、分からない。カンボジアは仏教の国ですからね。けれども、華人にはクリスチャンも結構いるはず。プノンペンならあるのだろうな。ということで、午前中は安息。部屋にずっといることにした。
私の泊まっているゲストハウスには日本人はおらず、みな欧米人。それも大きな体をした怖そうなおっさんたちばかり。ラジカセでアメリカのポップスをガンガンかけている。どこかに出かけて行くという気配はなく、一日じゅうだらっとしている。このゲストハウスは高床式で、2階に部屋があるのだが、欧米人は靴のままドスドスと階段を上がってきて、汚い。カンボジア人も履き物は脱いで上がるので我々日本人と同様。靴のままで上がっていいのなら、私も上がるが、そこらへんをどちらかにしてくれないと、足の裏が汚れてかなわない。おばちゃんにその旨言うが、おばちゃん自身にとってもそれは悩みの種であったのだった。本当は脱いで上がって欲しいのだけれども、お客様には強く言えないのだそうだ。身体の大きな欧米人は怖いし。「KEEP OFF YOUR SHOES」と書いて張っておこう、とおばさんに言った。
さて、お昼頃、部屋を出る。今日はとても暑い。35℃くらいあるかもしれない(もっとかな)。今日はアンコール遺跡とは別の場所で、シェムリアップの東の方にあるバコンという遺跡へ行くことにした。一昨日一緒にまわってくれたゲストハウスのバイクお兄さんは、別のお客さんが入ったらしく、替わりに別のおじさんが5ドルで、往復してくれることになった。シェムリアップから5.3kmほどのところにあるが、訪れる人は少ないらしく、道もデコボコ。時々転びそうになるほど。バコンの遺跡はアンコールにあったものと似ていたが、大きな石が重なった形(どう表現していいのか分からない)で、こちらも結構面白かった。バコン遺跡の後は、また少し離れたところにあるローレイ(だったかな?)遺跡にも行く。これもアンコールにあった中の小さな遺跡に似ている。サンスクリット文字で何やら色々と書かれているが、とても興味深い。こういう字が色々読めたらいいのになあ。
途中、原っぱの向こうにお寺があったので、そこに寄って少し休憩。カンボジアの原っぱ(というか荒れ地か?)はとても広い。そして、そこにポツッ、ポツッと生えている痩せこけた椰子の木。気候は暑いし、作物を育てるにも難しいところばかり。牛だってガリガリに痩せているし、人間もよくこんなところで生きていけるものだ。道ばたに溜まっている水も茶色く濁っているが、ここで水浴びをしている。やはり水の確保などには苦労しているらしい。お寺のそばには日本かどこかのNGOが作った井戸がそこにあった。このひとつの井戸のおかげで、そこの地域の多くの人々が恩恵を受けているという。カンボジアで井戸を掘るのに、それほどお金はかからないらしい。だからこそ、こういう援助がもっともっと必要だと思う。
遺跡から戻る途中、道沿いにビデオ小屋を見かけた。お金をとってビデオ映画などを見せる超小型映画館のようなもの。小屋は木と葉っぱで作られていて、中はちゃんと隠れているが、少しだけ開いた隙間からタダ除いている子供もいっぱいいる。原っぱが広がる村において、こういった娯楽というものは、人々に娯楽を与えてくれる。私も昔、小学生の頃、沖縄の離島の部落(今は「集落」というべきか)に住んでいた。一応NHKテレビは入るが、東京か大阪かどこかから来たテレビ搭載の車が公民館の前の広場にやってきて、そこで珍しい本土の娯楽番組を見たのはとても楽しかった。そんなことを思い出す。
さて、帰りがけにマーケットへ行く。先ほど遺跡へ行く前にもここマーケットによって昼ごはんを食べた。で、ここでまたもやいつもの酸っぱいカンボジアスープを食べるのであった。今日のは量が多かった。昨日は1800リエルだったのだが、今日はコーヒーも飲んだのに1200リエルだった。うーむ。どういうことだろう?
コーヒーがとても美味しいので、おみやげに買ってもって帰ることにした。500グラムで2000リエルだそうが、そこを1kgで3500にしてもらった。どこから来ているものかわからないが、このコーヒーはカンボジア国産らしい。ラオスにも美味しい国産コーヒーがあったが、その味に似ている。一般的にコンデンス・ミルクを入れた甘いミルクコーヒーを飲むのだが、私もこれが好き。
ゲストハウスに戻り、少し休んで水浴びをしてから外に出る。隣のゲストハウスに日本人のバックパッカー達が集まっていた。確かバンコクからの飛行機で一緒だったカップルもいる。バイクでふたり乗りしてアンコール遺跡群をまわっていたらしい。カップルで放浪の旅というのもいいですね。私も連中のことはちょくちょく見かけてはいたが、声をかけることはしなかった(人見知り?)。彼らの方も私のことを意識していたらしいが、私は「I LOVE 香港」と書かれたTシャツを来ていたので、香港人だと思っていたらしい。私はいつでもどこでも中国系に間違われる。けれど、香港人は「I LOVE 香港」Tシャツなんて着ないでしょうが。
プノンペンのキャピトルホテルで相部屋となったフランス人のセバスチャン君にも再会。話しが弾む。以前、台北のゲストハウスでもフランス人と相部屋となり意気投合したことがあるが、フランス人は楽しい。彼は「セヴォン・ガンジャ」といってマリファナを吸っている。カンボジアではマリファナは違法でない。というか規制の法律がない(以後、アメリカの圧力により規制されることになるが)。市場でも大麻が堂々と安く売られている。私は喘息だし、たばこだって吸わないので興味はないが、なんかふらふら気持ち良さそうに吸っている。う、うーむ。
というわけで、久しぶりに日本語も話しながら楽しくやり、シェムリアップ最後の夜は更けていくのであった。