SOUTH SEAS VOICE WORKSHOP

オックンチュラン・カンプチア 12

2月27日(土)
 昨晩から寒気がし始めていたが、深夜激しい腹痛に目が覚める。トイレに駆け込むとひどい下痢、というか水の状態。いったいなんなんだろう。この旅行を始める時もお腹の調子は良くなかった。心辺りとしては、バンコクで食べた蟹がアンモニア臭を漂わせていたような気がする。そういえば昨日もおじさんのところで蟹を食べた。少しアンモニア臭かったような気も。水も悪かったような気がする。カンボジアの水は水道でもいつも濁っているが、夜の屋台ではそういう水でもよく見えないので分からない。それにしても激しい腹痛。熱もある。15分おきにトイレに通う。しかし、出来かけでまだ開店前とはいえ、新しいホテルで助かった。いつもなら安いドミトリーに泊まって、トイレも共同。それにきれいでない。でも、今泊まっているところは新品のシャワー・トイレがついている。少しは救われた。けれども相変わらずお腹が痛いのには変わりない。
 一応征露丸を持っていたので続けて飲むが、まったく効かない。よく「インドの病気はインドの薬で治せ」というが、カンボジアの病気もカンボジアの薬でなければ効かないのか。食欲はまったくない。しかし、水だけはとりあえず飲む。そうでもしなければ脱水症になってしまう。
 昼過ぎにはかろうじて良くはなったが、これもお腹のものを出し切ったという感じで、小康状態。熱は一向に下がらない。ふらふらになりながら一階に降りていくと、ホテルのおじいさんがジュースとバナナをくれた。食べなければ良くならない。とりあえず、少しはお腹に物を入れることのできる状態であったので、食べることにした。しかし、すぐにトイレへ直行。
 本当は今日プノンペンに戻る予定にしていたのだが、この状態ではきつすぎる。一泊延長することにした。「一泊延長7ドルでお願い。病人なんだから。」というわけで、オーケーしてもらった。お金の交渉では、どんな病気でもつい一生懸命になってしまう貧乏旅行人であった。
 部屋は良くてもやはりとても暑い。扇風機だけではやってられない。夜も寝れない状態でうなっているのだが、暑くてかなわないので、ホテルのおばちゃんに使うなと言われていたクーラーも内緒で時々つけた。けれどもずっとつけておくとまずいので、つけてある程度涼しくなったら消す。暑くなったらまたつける、といった感じに、なんとか凌いだのであった。
 それにしても今回の腹痛はひどい。今までも色々な国を旅行したが、ここまでひどくなったのは初めてだ。というか腹痛を起こしたことはほとんどなかった。コレラか何かだったらどうしよう。病気になった時は、だんだんと不安になってくるものだが、特に今回はかなりの奥地だから、何かあってもすぐに帰るなんてことは不可能。病院というものはあるのだろうか。あっても診療所のようなものだろう。
 いつもは東南アジアの脂っこい焼きそばみたいのにそそられるのだが、今日ばかりは味付けのないまっさらなおかゆが食べたい。外国を放浪しているといつもはあまり考えないのだが、やっぱり私も日本人なんですね。