ワーガー – インド・パキスタン国境にて

 日本と韓国と中国、ロシアとウクライナ、イスラエルとアラブ諸国。世界には「ご近所」の仲がビミョーという地域が結構ある。インドとパキスタンもそのひとつだ。かつては同じイギリス植民地であったが、1947年、英領インドから、イスラム教徒たちの分離独立運動によって「パキスタン・イスラム共和国」が誕生し、「インド共和国」が誕生した。
 インドの首都ニュー・デリーから列車で西へ6時間15分。シーク教の本拠地でもあるアムリトサルへ行き、そこからオート・リキシャーで国境の街ワーガーまで向かう。その運転手は言う。「パキスタン人はクレージーだ!」と。
 陸の国境は、空港などと比べ緊張感が漂う。撮影・録音機材を持っていたので心配だったが、なんとか出国審査クリア。スーツ・ケースを引きながら、歩いて国境を渡る。車両も直接越境できないらしく、物をかついで歩くポーターたちが大勢働いていた。
 パキスタン側に入り、入国審査。多少時間はかかったが、ここでも入国審査クリア。スーツ・ケースの中身は見られなかった。インド人は色のある服装が比較的多かったが、パキスタン人は白い服が多い。どちらも薄汚れているが…。文字はヒンディー文字からウルドゥ文字に変わる。ヒンディー語とウルドゥ語、語彙に異なるものがあるが、共通点も多く、だいたいは分かるらしい。通貨はパキスタン・ルピー。ここでの交換レートはあまりよくないので、とりあえず必要なだけ、少額を両替する。そして、バスに乗り、パキスタン第二の都市、パンジャブ州の州都ラホールへ。運転手は言う。「インド人はクレージーだ!」と。
(2005年5月21日)INDIA PAKISTAN

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